便中カルプロテクチンがクローン病の病態把握補助に保険適応となりました
07 Dec. 2021便中カルプロテクチンがクローン病の病態把握補助に保険適応となりました
2021年12月1日以降、便中カルプロテクチン(FEIA法)がクローン病の病態把握補助の保険適応となりました。
便中カルプロテクチンは白血球の中の好中球という細胞に含まれるたんぱく質です。腸に炎症がおこることで糞便中のカルプロテクチンが上昇します。
これまで過敏性腸症候群と炎症性腸疾患の診断補助、潰瘍性大腸炎の病態把握補助で保険適応となっていました。
この度、クローン病でも使用が可能となります。クローン病は小腸大腸に炎症を起こす疾患です。小腸の炎症の把握は内視鏡等も一般施設では困難であり炎症活動性の評価が難しい臓器です。糞便での測定が可能となることで簡便に病勢把握が可能となります。現在のところはあくまで病勢把握補助(手助け)です。正確な評価には内視鏡が必要ですが、内視鏡の必要性について事前に評価を行うことで、不必要な回数を減らす・病状の悪い人の検査日程を早くする、といった緻密なスケジュール管理の手助けとなります。
気になる方は主治医、専門医へご相談ください。
当院院長監修 クローン病病態把握補助保険適応取得についてのリーフレット
2021年11月 JDDW 2021(日本消化器関連学会週間 神戸)にて発表
当院院長の学術論文 便中カルプロテクチンと小腸バルーン内視鏡の関連の検討
(保険適応決定の根拠のひとつとなった論文です)
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/jgh.14310
過敏性腸症候群と炎症性腸疾患の鑑別(潰瘍性大腸炎・クローン病)について
山梨県甲府市 いわもと内科おなかクリニック