いわもと内科おなかクリニック|甲府市向町

おなかに優しいかかりつけ医

Hematochezia血便

血便を認めた方へ

・排便時に出血した
・便に血液が混じっていた
・トイレットペーパーに血液が付いていた

などという経験はないでしょうか?
これは消化管や、直腸、肛門などの出血が原因でおこる症状です。出血する原因としては、痔、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、潰瘍性大腸炎、大腸がん、大腸ポリープなどがあります。 いずれにせよ、身体の異常を知らせる症状ですので、血便になった方は医療機関を受診するようにしてください。

このような血便は要注意!

一口に血便といっても、下記のような症状を伴う血便は特に注意が必要です。直ちに医療機関を受診してください。

☑腹痛を伴う血便
☑便秘を伴う血便
☑貧血を伴う血便
☑トイレの便器が真っ赤になるほど出血量

血便が出た場合は、その状態を確認し、診察時に医師にお伝えください。説明が難しい場合は、ご自身のスマートフォン等で撮影したものをお見せする形でも構いません。 出血箇所や疾患を特定する上で血液の「色」や血便の状態が重要になるため、診察時に医師よりヒアリングさせていただくことがございます。診断や治療を行う上での重要情報となりますので、しっかりお伝えください。

血便の種類と原因

血便の「色」によって出血箇所や疾患を特定する上での情報になります。血液は時間が経つと酸化し黒みが増していきます。つまり肛門から遠い箇所で出血するほど黒っぽい色になっていきます。

鮮血便

鮮やかな真っ赤な血の色の便をさします。出欠箇所は肛門や直腸などのお尻に近い場所から出血したことが想定されます。 原因:直腸がん、直腸ポリープ、痔、感染症腸炎、虚血性腸炎、大腸憩室出血など

粘血便

粘液と血液が混ざった便です。イチゴジャムのような見た目をしているといわれることが多いです。
原因:炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)・アメーバ腸炎など

暗赤色便

暗い赤色をした便で、大腸または大腸に近い小腸からの出血が考えられます。
原因:大腸がん、大腸ポリープ、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)、感染症腸炎、虚血性腸炎、大腸憩室出血、小腸潰瘍など

黒色便(タール便)

文字通り、全体的に黒っぽい便をさします。胃や食道などの消化管からの出血を疑われることがほとんどです。黒色便のことを正式には血便ではなく下血と呼びます。 原因:胃がん、胃潰瘍・十二指腸潰瘍、胃食道静脈瘤、小腸潰瘍など

血便の検査方法

血便症状が出た場合は下記の方法で検査を行うことができます。

便潜血検査

血便の有無を確認できる検査です。ご自宅で簡単に実施でき、かつ身体の負担も少なく済みます。しかしながら便潜血検査はあくまでも「スクリーニング検査」に過ぎないという点にはご留意ください。

大腸カメラ検査

肛門からカメラの付いたスコープを挿入し、腸の中を観察することのできる検査です。腸内部を隅々まで観察することが可能です。血便があり大腸の疾患が疑われる際にご提案させていただくことがございます。

当院の大腸カメラ検査についてはこちら

気になる方は当院へ受診を

血便は重篤な疾患にかかっている可能性がありますので必ず専門のクリニックにお越しください。放置や我慢は禁物です。 当院は血便などの症状に関する消化器外来を備えております。皆様お気軽にお問い合わせください

著者情報

学歴

山梨大学医学部 卒業
山梨大学大学院博士課程修了
(研究課題:クローン病における便中カルプロテクチンと小腸バルーン内視鏡の関連)

主な職歴

山梨大学医学部附属病院 第1内科
山梨県立中央病院 消化器内科
東京医科歯科大学 消化器内科/炎症性腸疾患センター

所属学会・資格

日本内科学会 認定医
日本消化器病学会 専門医
日本内視鏡学会 専門医
日本消化管学会(胃腸科)専門医
日本炎症性腸疾患学会
難病指定医
小児慢性特定疾病指定医