いわもと内科おなかクリニック|甲府市向町

おなかに優しいかかりつけ医

I.B.S過敏性腸症候群

このような症状の方は過敏性腸症候群かもしれません

☑腹痛が3か月の中で毎週少なくとも1日以上にある
☑腹痛が排便に関連する(排便で改善する・排便前に腹痛が強くなる)
☑腹痛が排便頻度に関連する(多すぎる・少なさすぎる)
☑腹痛が便の形に関連する(水様下痢・コロコロ便)

過敏性腸症候群の原因

日本では約10%の方が有病者といわれています。原因としてストレス・抑うつ・年齢(若年)・女性・喫煙・感染性腸炎・遺伝・腸内細菌や粘膜の微小炎症など様々なものが挙げられております。

過敏性腸症候群のタイプ

過敏性腸症候群には4通りのタイプがあります。

①便秘型:硬い便が25%以上かつ軟便・下痢が25%未満
②下痢型:軟便・下痢が25%以上かつ硬い便が25%未満
③混合型:硬い便と軟便・下痢がいずれも25%以上
④分類不能型:上記3つのいずれでもない

過敏性腸症候群の診断

完全な確定診断には大腸内視鏡検査によるほかの疾患の除外が必要となります。 問診や腹部診察と血液検査や腹部超音波検査などを用いることがありますが確定診断に対して有用であるといった医学的根拠は乏しいのが現状です。 糞便検査に関しては新規バイオマーカーとして便中カルプロテクチンが保険適応となっています。便中カルプロテクチンは過敏性腸症候群と炎症性腸疾患を高感度・高特異度に鑑別可能との報告がされており、今後の診療に期待できる検査です。

過敏性腸症候群の診断されたときの生活注意点

過敏性腸症候群と診断されたら食事習慣の改善が重要です。
規則正しい食事摂取・十分な水分摂取(非カフェイン飲料)・脂質・カフェイン・香辛料・乳製品を避けることがあげられます。欧米では発酵性・オリゴ糖・二糖類・単糖類・ポリオールを避ける低FODMAP食がよいと報告されています。食事以外の生活習慣として適度な運動で改善するとの報告があります。

過敏性腸症候群の治療

主に消化管運動機能調節薬(胃腸の調律を整えるお薬)・下剤・止痢剤(下痢止め)・プロバイオティクス(整腸剤)等をそれぞれの病型によって使い分けて行います。どの薬剤を用いるかは医師との診察や検査結果によって決定していきます。

気になる方は当院へ受診を

当院では過敏性腸症候群が疑われる方へも丁寧な診療を心がけております。お気軽に受診ください。

引用文献
日本消化器病学会 機能性消化管疾患診療ガイドライン2020 過敏性腸症候群(IBS) 改訂第2版
松岡 克善ら. 医学と薬学. 74(6) 717-726, 2017

著者情報

学歴

山梨大学医学部 卒業
山梨大学大学院博士課程修了
(研究課題:クローン病における便中カルプロテクチンと小腸バルーン内視鏡の関連)

主な職歴

山梨大学医学部附属病院 第1内科
山梨県立中央病院 消化器内科
東京医科歯科大学 消化器内科/炎症性腸疾患センター

所属学会・資格

日本内科学会 認定医
日本消化器病学会 専門医
日本内視鏡学会 専門医
日本消化管学会(胃腸科)専門医
日本炎症性腸疾患学会
難病指定医
小児慢性特定疾病指定医