大腸カメラを受けるべき人とは
25 Oct. 20261.40歳を過ぎたら、大腸がんを自分のこととして考えましょう
大腸がんは、日本人にとって身近ながんの一つです。男性でも、大腸がんは死亡原因となる重要ながんです。
大腸がんの多くは、大腸の粘膜に発生します。大腸がんは、早い段階で発見できれば、内視鏡治療などで根治を目指せる可能性があります。また、がんになる前の腺腫などのポリープを発見し、適切に切除することが、将来の大腸がん予防につながる場合もあります。
「症状が出てから検査する」のではなく、「症状がないうちに見つける」ことが大切です。
仕事や家庭のことで忙しく、ご自身の健康を後回しにしがちな中高年の男性こそ、ぜひ一度、ご自身の検査歴を振り返ってみてください。
2.便潜血陽性と言われたら、大腸カメラを受けましょう
健康診断などで行われる便潜血検査は、便の中に目では見えないほどの血液が含まれていないかを調べる検査です。
大腸がんや大腸ポリープなどから出血している場合、便潜血検査が陽性になることがあります。
しかし、便潜血検査は、がんを確定診断する検査ではありません。陽性だからといって、必ず大腸がんがあるわけではなく、痔や腸の炎症などが原因の場合もあります。
一方で、便潜血陽性を「きっと痔だろう」「症状がないから大丈夫」と自己判断することは危険です。
大腸がんは毎日出血しているとは限りません。そのため、2日法のうち1日分だけ陽性だった場合でも、精密検査が必要です。
便潜血検査が陽性になった方は、もう一度便潜血検査を受けて陰性になるかを確認するのではなく、大腸内視鏡検査などの精密検査を受けてください。
特に40歳以上の男性で、便潜血陽性を指摘されたままになっている方は、早めに医療機関へご相談ください。
3.便に血が混じる、便通が変わった。症状を放置しないようにしましょう
便潜血検査を受けていなくても、次のような症状がある場合には注意が必要です。
- 便に血が混じる、トイレットペーパーに血が付く
- 便が黒っぽい、血便を繰り返す
- 以前と比べて便が細くなった
- 便秘や下痢を繰り返すようになった
- 排便してもすっきりしない
- おなかの張りや腹痛が続く
- 貧血を指摘された、原因不明の体重減少がある
これらの症状は、大腸がん以外の病気でも起こります。例えば、痔や大腸ポリープ、腸の炎症などが原因となることもあります。
ただし、血便があるからといって、必ずしも痔とは限りません。
以前から痔がある方でも、別の病気が同時に存在する可能性があります。出血を繰り返す場合や、便通の変化が続く場合には、自己判断せずに診察を受けましょう。
なお、目に見える血便などの症状がある方は、次回の検診まで待たずに受診してください。
4.大腸がんになりやすい人とは
大腸がんの発症には、年齢や遺伝的な要因、生活習慣など、さまざまな要素が関係しています。
特に、次のような方は注意が必要です。
① 40歳以上の方
大腸がんは年齢とともに発症リスクが高くなります。40歳以上の方は、症状がなくても年1回の便潜血検査による検診が推奨されています。
② ご家族に大腸がんになった方がいる
血縁者に大腸がんの方がいる場合、発症リスクが高くなることがあります。特に若い年齢で発症したご家族がいる場合や、複数の血縁者に大腸がんがいる場合は、医師にご相談ください。
③飲酒の習慣がある
飲酒は、大腸がんのリスクを高める要因として知られています。
④ 肥満
肥満や身体活動の少なさも、大腸がんのリスクに関係します。適度な運動や体重管理を心がけましょう。
⑤ 過去に大腸ポリープを指摘されたことがある
大腸ポリープの種類や大きさ、個数によっては、将来の大腸がんリスクを考慮して定期的な内視鏡検査が必要です。以前の検査結果を確認し、適切な時期に再検査を受けましょう。
また、潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患で長期間大腸に炎症がある方も、病状や罹病期間に応じた大腸がん対策が重要です。
ただし、これらの危険因子がないからといって、大腸がんにならないわけではありません。リスクの高い方はもちろん、特に思い当たることがない方も、定期的な検診を受けることが大切です。
5.大腸カメラは、大腸がんの発見と予防につながる検査です
大腸内視鏡検査、いわゆる「大腸カメラ」は、肛門から内視鏡を挿入し、大腸の粘膜を直接観察する検査です。
便潜血検査だけでは、出血の原因や病変の場所、大きさ、性質まではわかりません。大腸カメラでは、大腸がんやポリープ、炎症などの有無を詳しく調べることができます。
検査中に切除可能なポリープが見つかった場合には、病変の大きさや形、患者さんの状態などを踏まえ、適切な方法で切除を検討します。
「大腸カメラは苦しそう」「下剤を飲むのが大変そう」といった不安をお持ちの方もいらっしゃると思います。
当院では、内視鏡専門医が検査を担当し、鎮静剤を使用した苦痛に配慮した検査にも対応しています。鎮静剤の使用には注意点もあるため、持病や服薬状況などを確認したうえで、患者さんに合った方法をご相談します。
検査前の準備や当日の流れについても、事前に説明いたしますので、不安な点があれば遠慮なくお尋ねください。
6.ご自身の健康を守ることは、ご家族を守ることにもつながります
特に中高年の男性は、仕事や家庭を優先するあまり、自分自身の健康管理を後回しにしてしまうことがあります。
しかし、大腸がんは、早期に発見することで治療の選択肢が広がり、根治を目指せる可能性が高まります。
便潜血陽性を指摘されたままになっている方、血便や便通の変化が気になっている方、しばらく大腸カメラを受けていない方は、この機会に一度、ご自身の健康と向き合ってみませんか。
「症状がないから大丈夫」ではなく、「症状がない今だからこそ、確認しておく」。
それが、大腸がんからご自身の健康を守るための大切な一歩です。
当院では、大腸内視鏡検査についてのご相談を受け付けています。便潜血陽性を指摘された方や、検査を受けるべきか迷っている方は、お気軽にご相談ください。
ご自身のために、そして大切なご家族のために、必要な検査を先延ばしにしないようにしましょう。