潰瘍性大腸炎(UC)の診療でお困りの患者様をご紹介ください
潰瘍性大腸炎(UC)は、近年患者数が増加している炎症性腸疾患(IBD)の一つです。5-ASA製剤の普及や新たな治療薬の登場により、多くの患者様で良好な経過が期待できるようになりました。一方で、「軽症だから5-ASAだけで経過をみよう」「血便はあるが炎症はそれほど強くないだろう」と考えて治療を継続しているうちに、実際には病勢が進行していたという場合もあります。潰瘍性大腸炎の診療では、症状だけで病勢を評価することは難しく、内視鏡所見や炎症マーカー、治療歴、副作用歴などを総合的に判断する必要があります。
甲府市にあるいわもと内科おなかクリニックでは、IBD診療を専門的に行っており、近隣の医療機関様からご紹介いただいた患者様の診断☑治療☑病勢評価☑治療方針の決定を行っています。病状が安定した後は、紹介元の先生へ逆紹介することも可能です。
次のような患者様をご紹介いただくことが増えています。
☑5-ASA製剤を使用しても改善しない
☑症状は軽いが血便が続いている
☑ステロイドを中止すると再燃してしまう
☑5-ASAアレルギーが疑われる
☑内視鏡をいつ行うべきか判断に迷う
☑生物学的製剤導入のタイミングを相談したい
☑JAK阻害薬や新規治療薬の適応を相談したい
☑専門施設で一度評価してほしい
☑診断がUCなのか感染性腸炎なのか判断が難しい
☑IBSとの鑑別に悩んでいる
「紹介するほど重症ではない」と感じる患者様でも、専門的に評価することで治療方針が大きく変わることがあります。
潰瘍性大腸炎では、「症状が軽い=炎症が軽い」とは限りません。例えば、排便回数は少なく日常生活に支障がなくても、内視鏡では広範囲に粘膜炎症を認める患者様もいらっしゃいます。逆に、症状が強くても炎症は軽度で、過敏性腸症候群(IBS)が合併している場合もあります。
現在のUC診療では、症状だけではなく「粘膜治癒(Mucosal Healing)」を目標とするTreat to Targetという考え方が重要視されています。症状だけを指標に治療を続けてしまうと、将来的な再燃や入院、手術リスクにつながる可能性があります。
潰瘍性大腸炎の診療では、経験豊富な医師でも判断が難しい場合も多々があります。例えば、血便が改善しない場合、「治療抵抗性」と考えて薬剤を変更した結果、実際には5-ASAアレルギーだったという場合もあります。
また、
☑感染性腸炎の合併
☑サイトメガロウイルス(CMV)感染
☑Crohn病との鑑別
☑薬剤性腸炎
☑NSAIDsによる腸炎
☑IBSの合併
などが病勢を複雑にしていることも少なくありません。これらを適切に鑑別するためには、病歴、採血、便中カルプロテクチン、内視鏡、病理所見を総合的に評価する必要があります。
5-ASA製剤は潰瘍性大腸炎治療の基本となる薬剤ですが、ごく一部の患者様ではアレルギー反応を起こすことがあります。問題となるのは、5-ASAアレルギーの症状が「UCの再燃」と非常によく似ていることです。
代表的な症状には、
☑血便の増悪
☑下痢
☑腹痛
☑発熱
☑CRP上昇
☑倦怠感
などがあります。
そのため、「病気が悪化した」と判断され、ステロイド増量や治療強化が行われることがあります。しかし実際には薬剤中止だけで劇的に改善することもあります。このような薬剤アレルギーを常に念頭に置きながら診療を行うことが重要となります。
症例紹介①
5-ASA増量後に急激な悪化を認めた症例
20代男性。
他院で左側大腸炎型潰瘍性大腸炎と診断され、5-ASAを増量後、血便☑腹痛☑38℃台の発熱が出現しました。「病勢悪化」と判断され紹介となりましたが、詳細な経過から5-ASAアレルギーを疑い中止したところ、数日で解熱し症状は著明に改善しました。薬剤変更後は再燃なく寛解を維持しています。このように、一見すると再燃に見える症例でも、薬剤有害事象であることがあります。
症例紹介②
「軽症」と判断されていたが、中等症へ進行していた症例
50代女性。
血便が週に数回みられるものの、排便回数は1日3〜4回程度で全身状態も比較的良好であったため、5-ASA製剤による治療が継続されていました。しかし、数か月経過しても血便が改善せず、炎症反応も軽度高値が持続していたことから当院へご紹介いただきました。大腸内視鏡検査では、直腸だけでなくS状結腸から下行結腸まで広範囲に粘膜の発赤、易出血性、びらんを認め、内視鏡的には中等症と判断しました。症状だけでは軽症に見えていても、実際には炎症が進行していた症例です。
治療強化後は数週間で血便が消失し、内視鏡でも粘膜治癒を確認することができました。
症状だけでは病勢を正確に評価できないことを示す代表的な症例でした。
症例紹介③
潰瘍性大腸炎以外の診断が判明した症例
70代男性。
潰瘍性大腸炎として長期治療でしたが、改善なく紹介されました。大腸内視鏡では特有の炎症像は認めず、大腸憩室多発を伴うことから大腸憩室炎と診断しました。抗生剤へ変更したところ、腹部症状は改善しました。UCの診は、困難なことは珍しくありません。疾患鑑別が重要となる症例でした。
症例紹介④
ステロイド離脱が困難で治療方針を見直した症例
60代男性。
再燃のたびにステロイドを使用していましたが、減量すると血便が再発する状態を繰り返していました。ステロイド依存性潰瘍性大腸炎と判断し、生物学的製剤への治療変更を提案しました。導入後はステロイドを中止でき、現在まで長期間寛解を維持しています。「ステロイドを繰り返しているだけ」の患者様でも、治療戦略を変更することで長期予後が改善することがあります。
⚪︎UCの重症度と治療の考え方
潰瘍性大腸炎では、軽症☑中等症☑重症という分類だけではなく、「現在どの程度炎症が活動しているか」「どの治療に反応しているか」「将来的な再燃リスクが高いか」などを総合的に判断することが重要です。軽症であっても血便が持続している場合や、内視鏡で炎症が残存している場合には、治療強化を検討することがあります。一方で、症状があっても炎症が認められなければ、薬剤の追加ではなく別の原因を考える必要があります。
また、現在のIBD診療では、症状の改善だけではなく、内視鏡的寛解や粘膜治癒を目標とした治療(Treat to Target)が推奨されています。適切なタイミングで治療方針を見直すことが、再燃予防や入院☑手術リスクの軽減につながります。
当院では、患者様の病勢や治療歴、副作用歴を踏まえながら、一人ひとりに適した治療をご提案しています。 対応可能な主な治療は以下のとおりです。
☑5-ASA製剤(経口☑坐剤☑注腸)
☑副腎皮質ステロイド
☑免疫調節薬(チオプリン製剤)
☑生物学的製剤(抗TNF-α抗体製剤、抗IL-12/23抗体製剤、抗α4β7インテグリン抗体製剤など)
☑JAK阻害薬
☑S1P受容体調節薬
☑栄養指導☑生活指導
☑定期的大腸内視鏡による病勢評価
☑サーベイランス内視鏡
☑高次医療機関との連携
必要に応じて大学病院や外科とも連携しながら、患者様にとって最適な診療体制を構築しています。
次のような患者様は、ぜひ一度ご紹介をご検討ください。
・診断に迷う時
・5-ASA製剤で十分な効果が得られない
・5-ASAアレルギーが疑われる
・血便が持続している
・ステロイド依存となっている
・潰瘍性大腸炎の治療薬の選択に迷う
・内視鏡による病勢評価が必要
・生物学的製剤導入を検討している
・JAK阻害薬や新規薬剤の適応を相談したい
・一度専門医による評価を受けさせたい
病勢評価や治療方針の決定後は、患者様のご希望に応じて紹介元医療機関様へ逆紹介し、地域連携を図りながら診療を継続することも可能です。
潰瘍性大腸炎(UC)に関してお気軽にご相談ください。
※患者様の個人情報のご記入はお控えください。
※患者様のご利用はお控えください。
学歴
山梨大学医学部 卒業
山梨大学大学院博士課程修了
(研究課題:クローン病における便中カルプロテクチンと小腸バルーン内視鏡の関連)
主な職歴
山梨大学医学部附属病院 第1内科
山梨県立中央病院 消化器内科
東京医科歯科大学 消化器内科/炎症性腸疾患センター
所属学会・資格
日本内科学会 認定医
日本消化器病学会 専門医
日本内視鏡学会 専門医
日本消化管学会(胃腸科)専門医
日本炎症性腸疾患学会
難病指定医
小児慢性特定疾病指定医
